「そう言えば、こないだの研修はどうだった?」
上司に聞かれたAさん、こう答えます。
「ああ、ま、いつもの研修でしたね。特に響くものはなかったですよ。」
これ、残念ながらよくある会話です。
もちろん研修講師の力不足の場合が多いのですが、もうひとつ考えられる原因があります。
それは、研修を受ける側の力量が圧倒的に足りない場合です。
こう書くと、あたかも受講者が悪いように取られそうですが、そうではありません。
講師あるいは研修会社の責任です。
研修の前の打ち合わせにで、受講者のレベル感を把握しておくべきなのです。そして、そのレベルに合うコンテンツを用意しておかなければなりません。しかし、冒頭の会話があったとしても、殆どの場合は心配いりません。
なぜなら、研修の効果は長期間続くからです。
もちろん、忘却曲線を見ると知識の抜けていく速さに驚きます。
しかし研修の本当の効果は知識ではありません。本当の効果は、心が動くこと。
数時間と言えども人間同士が触れ合って、何も残らないはずはありません。
研修を受ける前と後では、もう同じ線路上に居ないのです。
言ってみれば、線路のポイントが切り替わっています。
たとえ本人が自覚しなくても。研修を受けた直後は変化は見えません。しかし、1年後、5年後、10年後には研修を受けなかった自分と、受けた自分は違っているのです。
進行方向が角度にしてたった1度でも変われば、1年後の到達地点はまったく別の場所になるのと同じ。研修効果を無かったことにすることは不可能です。
それこそが、研修の本当の効果なのです。せっかく研修を受けさせたのに、社員が何も変わってくれないとお嘆きの経営者の皆さん、あまり気にする必要はありません。多くの場合、その効果は長期的には必ず出ています。
Commenti