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  • 執筆者の写真前田智宏

涙の経営理念

知床遊覧船の事故について、亡くなられた方やご家族の方に心よりお悔やみ申し上げるとともに、捜索中の方のご無事をお祈り申し上げます。


さて、今回の知床遊覧船の事故から考えるに、この会社の経営理念は【利益第一】であったのでしょう。


「利益第一」と文字で事務所に掲げていたとは思いませんが、経営者の考え=経営理念 ですから、結果から考えると【利益第一】が行動の原点であったことは間違いないでしょう。


経営理念(経営者の考え方)の大切さがよく分かります。


(有)知床遊覧船のHPには経営理念は掲載がありませんでしたので、JR西日本を例に取り上げます。


【JR福知山線脱線事故】

当時、JR西日本の経営理念は以下の通りでした。

1.安全・正確な輸送の提供 2.お客様本位のサービス 3.会社の発展は自らの幸せ 4.規律正しい、明るい職場づくり 5.自己研鑚とチャレンジ精神 6.同業他社を凌ぐ強い体質づくり

最初に「安全・正確な輸送の提供」と、「安全」が出てきます。

それが事故後には以下のように変わりました。


1.私たちは、お客様のかけがえのない尊い命をお預かりしている責任を自覚し、安全第一を積み重ね、お客様から安心、信頼していただける鉄道を築き上げます。 2.私たちは、鉄道事業を核に、お客様の暮らしをサポートし、将来にわたり持続的な発展を図ることにより、お客様、株主、社員とその家族の期待に応えます。 3.私たちは、お客様との出会いを大切にし、お客様の視点で考え、お客様に満足いただける快適なサービスを提供します。 4.私たちは、グループ会社とともに、日々の研鑽により技術・技能を高め、常に品質の向上を図ります。 5.私たちは、相互に理解を深めるとともに、一人ひとりを尊重し、働きがいと誇りの持てる企業づくりを進めます。 6.私たちは、法令の精神に則り、誠実かつ公正に行動するとともに、企業倫理の向上に努めることにより、地域、社会から信頼される企業となることを目指します。


私は、JR西日本の新しい経営理念の最初の一行を読むたびに涙が出そうになります。


107名もの犠牲者を出してしまった企業の、心からの反省と、社員、経営者の後悔、悲しみ、そして安全への強い誓いが込められているように感じます。

こんな悲しい生まれの経営理念は無い

多くの犠牲者の上に作られた経営理念は、

「涙の経営理念」

としか言いようがありません。


企業活動が人を不幸にしてはならない。

そうならないために、経営理念は生きた言葉として、日々の仕事の判断基準であるべきである。


当然ながら、

経営理念に沿った行動を取ったかどうかが、社員の人事評価の基準

であるべきです。

当社は人事評価制度のコンサルティング会社ですが、その根本は経営者様の考える「経営理念」を実現することにあります。

そのため、経営理念を作るお手伝いをすることもしばしばあるのですが、


「正しい経営理念は人に幸せをもたらし

  誤った経営理念は人に災いをもたらす」


と常に感じています。


経営理念が決まったら、次のミッションは「社員様への浸透」です。

人事評価制度への経営理念の織り込み、ぜひご検討ください。


株式会社チームグリーン 前田智宏




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